風野ゆうの素朴な疑問と一本勝負

全身全霊をかけて気ままに全力投稿

代々 継ぎ足しの秘伝のタレ

曽呂利新左衛門という人物を知っていますか?

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豊臣秀吉に御伽衆として仕えたといわれる人物、まあ簡単に言えば秀吉の話相手です。

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落語家の始祖とも言われ、ユーモラスな頓知で人を笑わせる数々の逸話を残しました。そのひとつに将棋に勝ったことから秀吉から褒美を下される際、何を希望するか尋ねられた新左衛門は、今日は米1粒、翌日には倍の2粒、その翌日には更に倍の4粒と、日ごとに倍の量の米を50日間もらう事を希望しました。

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米粒なら大した事はない、欲の無い奴と思った秀吉は簡単に承諾しましたが、日ごとに倍ずつ増やして行くと50日後には膨大な量になる事に途中で気づき、

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他の褒美に変えてもらったという逸話があります。ちなみに50日後には1,267,650,600,228,229,401,496,703,205,376粒(笑)になるそうです。全農調べで10キロ袋で500,000と言われているので50日後には約225,179,981になる計算です。分かりずらいので漢数字にすると約二億二千五百十七万袋、東京ドーム550杯分です。

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と言うことを念頭において予告の老舗の注ぎ足しのタレを考えてみます。

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「創業当時のタレを100年以上使い続けています」という看板を時々見かけることがあります。「100年以上前のタレって大丈夫なの?」と思ってしまいがちですが、上の理論で行くと実際には継ぎ足すことで一か月後にはほとんど中身が入れ替わっているため(分母が天文学的数字になり)、創業からの古いタレはほとんど含まれていないのです。

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でも別にがっかりすることはなくて、これが腐らない原因でもあるし素材からの旨味は必ず入っていると思えばやはり美味しさの秘訣は継ぎ足しの秘伝のタレにあるのも頷けます。